私が今持ってるカップ類。この他にもう一つチタンのシェラカップもある。写真左のCaptain Stagのステンレスシェラカップなんて実に30年前に買ったものだが買って数度使ったきり出番はない。私のスタイルで必要になったこともない。
世の中のアウトドア雑誌やアウトドア系のブログ、動画で「シェラカップ超便利!」「シェラカップ万能!」「アウトドアやキャンプを始めるなら必ず欲しいアイテム、シェラカップ!」なんていうのが溢れているが、半分くらいは自分が買って嬉しいから書いているだけってのが多い。そもそもシェラカップって万人向けじゃないんだがなぁ・・・。おしゃれとも思わないし、かっこいいとも思わない。
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シェラカップは一部のスタイルの人には万能で便利なギア
キャンプや登山などで、ある程度の人数で調理担当が決まっているような場合、それ以外の人はシェラカップ一つあれば取り皿にもなるし、調理する予定がなくても個々でちょっとしたものを作ったり飲んだりが、シェラカップとストーブ一つあれば出来て究極コンパクト。
ブッシュクラフト側のスタイルの人は極力ギアを減らしシェラカップ1つないしは2つでなんでもする。調理に使い、カップに使い、アルコールストーブの風防に使い、スコップがわりになり・・・。まさに万能ギアだ。
だが、まて。それはそういうスタイルだからなのであって、一般のキャンパーに便利な万能ギアってわけではない。なのに何故かみな絶賛するのが不思議でならない。初めに謝っとくが「ごめんさない、悪気はないです・・・」、シェラカップを無理に使っている人、カッコ悪く見えるし、ダサいと思います。お洒落でもない。逆にアルミホイルとシェラカップがあればコッヘルなんざ要らないなんて豪語する人はカッコいい。
シェラカップのメリットと言われる事が、実はデメリットの割合の方が高い事実
直火にかけられる
かけられはします。が、小さいので出来ることは限られます。直火にかけると持ち手もかなり熱くなりますで、軍手や革手袋やバンダナで持つなど何かしらの工夫が必要になります。飲み物を直火で温めたら、ある程度冷めるまで熱くて口つけられません(苦笑)。シェラカップのオリジナルの構造(縁にぐるっと持ち手のワイヤーが回してある構造)のやつは熱を持ち手に逃して縁の温度を下げる効果もあるので、熱い飲み物を注いだ場合には口をつけやすい。この辺りはホーローのカップよりも優れてます。が、直火の後はムリです。
お湯を沸かしたとします。が、口径が広い形状のお陰で別なものに注ぐのは難しいです。インスタントコーヒーなら問題ありませんが、ドリップなどはかなり難しい。(注ぎ口のあるシェラカップなんてあれば良さそうですが)
カップとして使う
カップとしてみた場合には、代替品レベルです。口が広くて底が浅い形状のおかげで、暖かい飲み物は冷めやすく、冷たい飲み物は温まりやすい。口が広いので普通の形状のマグカップやコップと比べて飲みづらい。極端に言えば飲み物を皿で飲んでいる様なもの。
軽量カップやおたま代わりや取り皿として使える
計量・・・長期の場合で米を計る以外ソロでそんなに必要な場面てあります? 米計るだけなら手持ちのカップに印つけときゃ済むし、多少手の込んだものを作ろうと思った場合にはそもそもシェラカップではなくてコッヘル使うと思うんですがコッヘルにも計量目盛りはついてますし、マグカップにも目盛りがついているのもありますし、特段シェラカップでなくてはならないことはありません。
形状からおたま代わりにも使えますが、少なくともソロでおたまが必要になるようなことはまず無いです。
取り皿としても同じくですが、ソロなら取り皿いりませんね?2人でも直接コッヘルからシェアすればいいだけでしょうし。まぁ、作るものによってはあってもいいかなレベル。そもそも取り皿が必要になる、おたまが必要になるってことはある程度の人数でのキャンプ、なら、きっと車移動。だったら、普通に柄の長いおたま、広くて浅い専用の取り皿の方が便利です。
スコップとして使える
普通のキャンパーなら使いません(笑 折り畳みのスコップの方がはるかに楽です。テント周りの溝を掘るだけなら他にも代用出来そうなものはあります。
ラフに扱える
それ、金属製に限らずキャンプギアのほとんどがそうです。
スタッキング出来る
シェラカップ同士なら、ね。その独特な形状のお陰で他のコッヘルや他のギアなどと合わせてスタッキングしにくい。特に持ち手が折りたためないオリジナルなタイプのものは持ち手が意外と嵩張る。結果シェラカップ専用のスペースが必要になってくる。バッグパックなどでベルトやDカンにカラビナで下げてあるなんてのはいいかと思いますが。スタイル違いますし、スタッキングの話ではありませんしね。
カッコいい
これに至っては意味わかりません(苦笑)。玄人っぽいとかそういう事なんでしょうか? そういう発想自体カッコ悪いと思います。シェラカップがカッコいいのはガシガシに使って真っ黒になって薄くなってしまって「そろそろ買い替えかなぁー」なんてのはカッコいいですが、それ以外のテントサイトにシェラカップをぶら下げてディスプレイしているのなんて超ダサイと、私には見えてますが・・・。
今時はマグカップの方が多用途で便利
例えば最近私が買い足したカップは上の写真中央、Captain Stagの230mlスタッキングチタンマグカップと、上の写真右のEVERNEWのチタンマグポット500ml。
Captain Stagの230mlのマグカップはやろうと思えばPrimus P-115なら直火にもかけられます。意義を見出せないのでやりませんけど。それより2つ重ねてもこの大きさが、私には重要です。もちろんマグカップなので飲み物を飲むのに特化してます。自分で目盛りを刻めば軽量カップにもなります(必要ないのでやりませんが)。
EVERNEWの500mlのチタンマグポットはその名の通り、500mlのマグとしても使え、ポットとしても使えます。蓋があるのでお湯を沸かすのも早い。ティーポットとしても使える、注ぎ口が絶妙でコーヒーをドリップするのに細いお湯が注げる。500mlサイズと蓋があるので1合のご飯が炊ける。簡単な料理なら500mlサイズあれば十分対応できる。OD缶の110サイズとPrimus P-115を中にスタッキングも出来る!
そして下の写真のように(蓋は閉まりませんのでスタッフバッグに入れるか何かで止めれば)チタンマグ2つをスタッキングすることもできる。
シェラカップではこうはいきません。昔ならいざ知らず、今時ならもっと便利な個人個人にあったギアがいっぱいあるのに、シェラカップである必要性は低くなってます。個人的にはこちらのほうがシェラカップより「万能」かと思えます。
多くの記事を否定することになるが、正直、シェラカップは必要に迫られない限り買わなくて良い
スイスツールナイフをはじめとしたマルチツールも同じ。シェラカップと違い私は本当によくマルチツールを使うのでスイスツールとレザーマンを多数持ってますが、要らない人は全く不要の長物。スイスチャンプなんて全機能絶対に使いませんしね(笑)。キャンプ用にナイフが必須かっていうと、これも否。スタイルで違うので必要に迫られてから必要なスタイルにあったギアを選ぶ、これが鉄則かと思います。
シェラカップも同じ、と、電脳-煩悩的には思います。だって、私、30年使ってないんだよ(笑)。それは私のスタイルでは必要ないものってだけの話ではあるのですが、それは必須な道具で無いのは間違い無いってことでもあろうかと思います。
あたかも必須の道具であたかもすらばしく便利な道具のように書いているところがあまりにも多いので、あえてこんな記事を書いてみた次第。