
の、続き。
4ベイNASのAsustor AS3304T v2に追加した2ベイNAS、QNAP TS-262-4G。6/8には届いていてそれから1週間ばかりあれこれ設定してみたり戯れてたりしました。いつもなら届いて直ぐにあれこれ試してレビューあげるのだけれど、今回はじっくりと試してたのには訳がある。
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Asustorとは思いっきり違うw
これは「ちょっと違う」じゃないです、「思いっきり違う」ですねw 実は面食らってしまって戸惑いが多くてあれこれ確認しながらの設定・設置だったので意外と日数食ってしまったってのが本当のところ。1週間もかかるぐらい設定が面倒なの? いや違う違う、逆です。あれこれ悩みながらマニュアルひっくり返しながら設定運用していたAsustor NASと違って簡単すぎて「え、まって、ほんとに?」というのが多かったので、結果違いを比較しながら(楽しみながら)ゆっくりじっくりいじってた、という感じです。
ちなみに標準のMemory 4GB x1枚は、届いて電源を入れる前に、余ってその辺に転がってたCrucial DDR4 2600 S.O.DIMM 8GBに差し替えた(DDR4 3200 8GB x2枚組も転がっているのだけれど、とりあえず8GB1枚で様子見)。
まず、一部の人が書いている「MacならQNAP」ってのは意味がわからんかった
多少期待していたんですが、何のをことを指して「MacならQNAP」って書いているのか、私にはわからんかったです。特段どちらがMacに向いているとか、個人的には感じる部分は一切なかったっすね。
というかむしろ第一印象は逆で、QNAPの初期設定で一番最初に使う「Qfinder Pro」アプリmac版がmac mini M4では動かなかった。

↑の通りそもそもQfinder ProアプリはIntelアプリで、今更mac mini M4にRosettaを入れたくないのもあって、mac mini M4で初期設定するのは断念。WindowsマシンでQfinder Pro Win版を使って初期設定をせざるを得なかった。Windowsマシンがなけりゃ私のところでは詰んでました。
そんな感じで第一印象はかなり悪かったんですが、初期設定終わってMacからWebブラウザつかってアクセスしていろいろ設定をし始めるとこれが印象がガラリとかわった。
QTS OSがかなりイケてる

AsustorのADMも最新版は5.0で、AS3304T v2でベータ版を使ってみたりはしてるけれど、使い勝手というかイケてる度はQNAPのOTS OSの圧勝ですね。
ADMの場合はというかAsustorのNASは、そうだなぁ、Linux的。ubuntuでも無くてubuntuのフレーバーでいうとさらに軽量なLubuntu的というか。ナレッジセンターが充実しているので、わからないことは調べられるし、大きく困ることもない。シンプルだし、普通に想像通りに動作。ソフトウェアとハードウェアのバランスがよくコスパの良さがわかる。ただ、ある程度のLinuxなりの知識があった方がわかりやすいかな、とも思う。そんな感じの素っ気なさ(よく言えばシンプル)というか、突き放した感じがある。「なんでも聞かれれば答えます!聞かれればですが。」そんな感じ。
一方、QNAPのNASはUIがずっとリッチだ。ぱっと見のデスクトップの見た目では変わりないように見えるが、それぞれのUIと動作がまるで違うというかよく考えられてるなぁと思う。たとえばADMではそれぞれのアイコンは独立していてそれぞれに自分で行き来して設定する。QTS OSは違う。関連するものは自動で縦横無尽に開いいって設定していけるのだ。ユーザの必要なものを次々開いて必要な設定を促してくれるというか。加えてここのウィンドウも気が利いており、用語の説明とおすすめ設定とその訳が表示されるので、初めてでもやりたいことがわかりやすいだろうなぁと。「あ、これがしたいのですね、ではこれとこれも必要です。こことここに入力をお願いします」的な。これ相当に手がかかっているよねぇ。buffaloのNASのそっけない感じを知っているとAsustorのADMでもリッチだなと思えるのだけれど、全然QNAPのQTS OSの方がリッチだった。なかなかイケてる。
ユーザによる情報量の多さは多少Asustorより多いぐらいか
Synologyは情報が多いがQNAPはAsustorより多いかな、ぐらい。そこまで多くない感じ。でも、QTS OSのおかげでAsustorより基本困らんです。ただこれはあれこれやろうとした場合の話であって、単にバックアップだったりファイル共有だったりでは大きな違いはないことは書いておく。
たとえばWi-Fiカメラの接続はQNAPでは一発だった
特に必要ないけれど、うちにあるTapoのWi-Fiカメラ3台をAsustorに繋げてみようと思ったら、難しかった上に、結果失敗し断念。Asustorは意外とこういう感じのが少なくない感じ。できるって書いてあるのに、できないじゃん!とか、で、どうやるの?とか、があったりする。
QNAPではどうよと思ってやってみたら、簡単だった上に、無事サクッと設定できた。使わないから即止めたけど、QNAPはこんな感じで実際にできることが多い感じ。Web Siteで「できる」と書いてあることは、できる。いや、あたりまえだけどw
出先からのNASへの安全なアクセス
これも実はできることにAsustorとQNAPでは変わらない。が、表示というか説明のニュアンスが双方ではっきりと違うのと、実際の動作感は違う。
接続する方法として1つは以前からあるDDNSなどを使って自宅などのルータのUPnP機能をONにしてNASのアプリが自動でNATの設定を書き換えて外部との通信ができるようにするという方法。ググると大半がこの方法がひっかる。が、これつまりは自宅のHGWなりルータなりに穴を開けるわけで、あまりよろしくない。加えて今時のIPoE接続ではうまくいかないことも多いし、そもそも許可していないISPもある。
が、最近のNASには特にルーター(HGW含む)にポートフォワーディングとか設定しなくてよいのでセキュリティ懸念も少なく、IPoEでも使え、より簡単に接続可能にするリレー方式ってのがあって、多分多くの方向けには今はこっちの方がおすすめだ。で、この方式による出先からNASへのアクセスについてだが
Asustorでは基本的に従来の方式がデフォルトで、それで繋がらない場合に自動でリレー方式に切り替わるという方式。説明には「リレー方式は通常方方法で繋がらない場合に自動で切り替わりますがそのかわり帯域が(リレー部分で)制限され速度が落ちます」的なことが書いてあって、セキュリティ云々のことは一切書いておらず、書いてあるのは通信速度のこと。
しかも実際試してみるとこれが、うまくつながらない(苦笑)。結局Asustorで外から繋ぐのはやめとこう、となった。
一方のQNAPでは

とサイトに明記してあり、Asustorは違いそれぞれの方式での速度の説明はなくセキュリティレベルの違いで説明している。
実際にどちらのリレー方式も使ってみたが、Asustorのそれは不安定で遅く、実用に耐えない感じだった。なので「これは使えない」と判断し、これまでNASのデータに出先からアクセスしようとも思わず、必要なものはGoogle Driveに放り込んでおくという方法をとっていたが、QNAPのそれは(何重かの認証やらの後に)ログインできてさえ仕舞えばサクッと普通に使えた。Asustorのように「速度制限」みたいな事も特に書いておらず、実際に「なんだ、これぐらいの速度感なら使えるじゃねーか!」ぐらいに動作。
流石にNASを直接外部のだれかと共有しようとは思わないが、それはレンタルサーバに共有用で設置してあるNextCloudに任せて、Google DriveとNASを用途で使い分けもなんてのも(必要があれば)現実的に運用できそうね。このあたりのことをubuntuでやろうとするといろいろ乗り越えなきゃいけないハードルがあったんでアレだったが、ふむ、いいかもしれんね。ちょっと運用方法もいろいろ考え直そう
消費電力表記にも違いが、というか疑問が残る
これはAsustorのカタログ値での消費電力が実際に近く、QNAPは実際にはもっと(ずっと)多いという結果となった。AS3304T v2はカタログ値で25.1wだが、Toshiba NAS用 6TB HDD 2台でRAID1の状態で大体17-26wぐらいでカタログ値通り。何もアクセスがなければこのぐらい↓

一方のQNAP TS-262は4GB Memoryの状態でカタログ値は「12.448 W (ドライブを全部取り付けた状態でテスト)」と書いてある。しかし実際にはなぜか大体常時20-22Wぐらいで、カタログ値から8-10W程度多い。

まぁ、搭載CPU的には妥当なところかとも思うが。それにしてもカタログ値の数値って一体どういう状態でその数値が?と、疑問に思ったところで、ふと気がつく。
そういえばSeagate IronWolf 6TBって動作時で5.3wなので2台で10.6w。Memoryは多く見積もって3w。これですでに13.6W。TS-262のCPUが Celeron® N4505で(実際の消費電力とは違うが)TDP 10wだよね。実測の明示的には人がアクセスしていない(が、なぜかQNAPは定期的にHDDにアクセスがあるのでHDDがスリープに移行することがない)状態の消費電力22.2wから(苦笑)13.6wを引くと8.6wが残りで、N4505とファンとM/Bの動作としてはまぁ、そんなもんじゃねぇか?と。HDD抜いて測ってみりゃいいのかw どれどれ。

HDD無しで起動して落ち着いた状態でほぼカタログ値の11.7-12.6wじゃねーか(苦笑)。そりゃHDD2台つけた状態で20-22.2wぐらいになって当たり前じゃん。それとも何か?壊れて動かないドライブでも2台つけてテストしたんか(苦笑)?
今回メインのNASをQNAP TS-262に換えたのの理由の一つにこれまでの消費電力の半分になる(カタログ値では)を期待していたのだが、実際には(実測では)AS3304T v2とより多い消費電力になってしまったのは、軽くがっかりというか、なんだかなぁという思いは残る。まぁスペック見ておかしいと思わなかったのかという指摘もありそうだが。それでも少しちゃんとした数値を載せてくれないと、NAS製品は特にだが、ダメじゃねぇかと。
そんな感じで、こちらはQNAPのカタログ値の消費電力は当てにならず、Asustorのほうがカタログスペック値は信頼できる結果となった。
HDDにずっとアクセスしている・・・
これもちゃんと書いておかなくちゃいけないが、AsustorとQNAPどちらも似たような設定にしているのだけれど、Asustorはアクセスしていない時にはちゃんとHDDはスリープする。しかしQNAPはなぜか数秒おきにずっとHDDにアクセスがあり、そのせいでスリープに入る暇がない。設置場所によっては数秒おきにヘッドが動く「カリカリっ」って音がするわけで、ちょっと気持ちわるいというかスッキリしない。ちゃんと調べてはいないがどうもなんかずっとログを吐いている感じ・・・。事実この辺りが気になる人もいて「これだからQNAPは信用できず、SynologyとかAsustorのほうがいい」とか言っている人もいるようだ。
先述の通りカタログ値のHDD2台搭載で通常時消費電力12.448wとは違い常時20-22w消費しているわけだが、使っている時はもちろんそのぐらいでいいしもっと電力使うことになるのは当たり前。しかしユーザが明示的にアクセスしていない時や、何かのアプリや設定で明示的に動いていない限りはHDDの消費電力を抑えて欲しいのだが、なぜかそうならないのが問題。QNAPのサポートに問い合わせてみたが、Web Site以上の情報は得られず。自身で組んだubuntu serverでもAsustor NASでも無いQNAPだけの症状だし、結局自分で探っていくしていくしかなさそうだ。
そのうち時間のある時にちゃんと調べよう・・・。
電脳-煩悩的にはどっちをおすすめする?
※ 以下の話はあくまで2-4ベイモデルで10万円以内クラスの製品での話。
んー。これ、かなり迷う。というか使う人のスキルや求めるもの次第という気がする。
- とにかくコスパと機能のバランス重視ならAsustor
- スキルもあってシンプルなものを好むならAsustor
- 初めてのNAS、PCスキルもそこまで高くないならQNAP
- 自分で調べてあれこれ試していくのがあまり好きでないなら(高性能を楽して使いたいなら)QNAP
- 10GbEを視野に入れているならQNAP
- 出先からもアクセスしたいならQNAP
- 2ベイモデルならQNAP、4ベイモデルならMyArchive使用前提でAsustor
- 消費電力など細かな管理をしたいならAsustor
てな感じでほんと、人による感じ。個人的にはさらに
- Backupサーバ用途ならシンプルでMy Archiveドライブという強力な機能があるAsustor
- 1台で色々な用途に使いたいならQNAP
- 消費電力などどうでもいいから分かりやすく・使いでのあるものを、ならQNAP
かな。これに関してだがもう少し付け加えるとバックアップサーバとして、とか業務等で少人数スタッフで共有とかに特化ならコスパが良くシンプルで使いやすいAsustorがおすすめ、かな。管理者が設定してスタッフは利用するだけだし、ADMの使い勝手とかはスタッフ側はまったく問題にならんしね。mini PCとか入手してubuntu server入れてsambaサーバー + αてなのから置き換えるならAsustorのほうが感覚的に近い感じで、逆に自信が設定していないものは動いていないのでQNAPのように「なにがずっとHDDにアクセスを?」とか悩む必要もなくスッキリ使える。
電脳-煩悩的にはNAS本来の機能(ファイルサーバ、バックアップサーバ)の信頼度と使い勝手はAsustorのほうが上だと思う。
業務用途でも一人だったり、プライベートな目的や家族で使うならQNAPの方がおすすめ、かな。QNAPはDockerだけじゃなくLXDで仮想マシンとかも使えたりするモデルもあるのでNASだけで仮想開発環境も手に入る。
電脳-煩悩的にはNAS本来の機能に加えて外部からのアクセスやカメラを接続したり、アレやこれやに使いたいのならQNAPのほうが向いていると感じる。
それぞれにそれぞれの良さがあって、それぞれにうーんな部分もあるんだが、QNAPの方が(今時の)NASとしての製品完成度自体は高いかなー。ただ同等(ハードウェア)スペックで比較するとQNAPの方が価格は高いので、その分を便利なOS代と思えるかどうか、かな。どちらも使ってみてそんなふうに電脳-煩悩では感じました。
ちなみに個人的に好きなのはAsustorの方ですかね。シンプルなだけにQNAPのようになぜそうなっているのかがわからずにイライラすることはまず無い。ただし(今時のNASとしての)アプリや付加機能の出来がイマイチ(苦笑)。しっかし・・・Synologyよ・・・。新製品は全て自社HDD・メモリー・SSD以外をつかわわせない方針に切り替えたのは、ほんとユーザ目線で見た場合エンタープライズ用途なら好ましくもあるけれど、コンシューマ用途では残念でしかないと思うのだが。。。
// つけたしで大事なのでもう一つ。こうやってNAS2台になっても電脳-煩悩的にハッキリと思うのはTime Machineは個別にUSB HDD/SSD接続をお勧め、です。//